近頃ではマクロビオテック(食養)や健康のために、あえて白米ではなく玄米ご飯を食べる方も多いようです。
玄米ご飯(以下:玄米食)は精米された白米に比べるとビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養価が高い事でも知られています。
私は生まれてからずっと白米ご飯を食べてきましたが、日頃からお腹を壊すことが多く、改善策を模索していた中で、玄米を半分(五分)ほど精米した「分搗き米」を続けてみたのですが、お腹が緩むことがなくなり、便通が程よく改善されました。
食生活全体を見直しているので、玄米の効果だけではないとは思いますが、調子を良くした私は勢いづいて、玄米のことをさらに調べてみました。
すると案外、玄米食には、続けるとメリットばかりではない、という情報が少なからず見られます。
本当のところはどうなのでしょうか。
ここで、玄米について整理してみようと思います。
目次
更新:2018年8月・2019年1月
日本人と米の歴史
基本的に玄米をそのまま炊いて食べようとすると白米に比べ、浸水の仕方などに手間がかかり、食感もぼそぼそと堅さが残ることからも、食べやすく炊くにはコツが要るようです。
今でこそ高性能の炊飯機にはおいしく炊ける機能もあるようですが、その玄米を昔の人々はどの様に食べていたのでしょうか。
一般に日本人が長いこと主食としてきたと思われている玄米ですが、調べてみると、明治以前では、一般庶民は玄米に穀物を混ぜたものや、麦など、その他の穀類を主食としていた可能性もあるようで、意外と玄米だけをそのまま主食としていた時期というのは少ないのかも知れません。
地域差や身分差にもより、現代の日本人の主食とは事情が違うようです。
以下引用;
“籾すり技術が未熟だった江戸時代以前の玄米は、籾すりの際に果皮も一部剥ぎ落とされてしまうので、後の時代の玄米と同じではない。 (著)石毛直道 『日本の食文化史』 岩波書店、2015年
“昔から一般人民は玄米を食べていたといわれるが、実際にはある程度搗精した米を、麦などと混炊して増量して食べていたものと思われる” (著)星川清親『米 イネからご飯まで』柴田書店、1979年
現代の私たち日本人は毎日、当たり前のように、お米を主食としていますが、長い歴史を振り返ると技術がまだ発展途上だった時代はそう遠くなく、先人たちはそれぞれに工夫した食べ方をしていたようです。
焼き米(やきごめ)
古代の人々は、最初、稲を籾のまま、火で炙り、その後、籾をとってそのまま食べたり、湯につけて食べたりしていたそうです。
強飯(こわいい)
その後、籾のまま蒸して食べるようになり、その後、もみを脱穀して蒸すようになります。
弱飯(ひめ)または姫飯(ひめいい)
平安時代の貴族では、蒸した米に水を加え、煮て食べる方法が広まったようです。今でいう固粥の様なものでしょうか。 身分の低い人々はそこに麦、粟など様々な穀物を混ぜて量を増やして食べるのが主流でした。
※米は炊いて頂くのが主流となった現代では、もち米を蒸したものに対して強飯(こわいい)またはおこわと呼ぶようになっていて呼び方にも変化が起きているようです。
江戸時代になると徐々に脱穀や精米の技術が上がり、玄米から少しづつ今の白米に近づいていきます。
江戸時代後期になると大きな町では、米搗き屋という専門に米を搗いてくれる仕事があったようですので、この事からも精米された白米をたべる人々が増えていたのが想像できます。
そんな中、江戸の町では、副食をあまり摂らずに、白米ばかりをたくさん食べる人々が増えたそうです。
ここでよく耳にする「江戸煩い」が蔓延します。
これは「脚気」というビタミン不足が原因の病気ですが、米糠に含むビタミンなど栄養価を取り除いた白米だけで、副食からも摂取しなかったのが原因だったわけです。
医学や栄養学が発展していなかった当時は、一部の人にしか対症療法も分からなかったのですから、さぞかし不気味な病に感じられたことでしょう。 「脚気」は明治時代に入ってからも陸軍の間などで多くの疾患者を出し、昭和初期まで続いたそうです。
その後明治時代に入ってから、白米は急速に日本中にいきわたり、国民全体に、毎日の主食とされるようになります。
外国の技術とともに農業革命が進んだため、それまで貧しく穀類や玄米を主食としていた人々にもいきわたるようになったのでしょう。
その後現代に至るまで、白米はますますたくさんの人々に好まれ主食とされていきます。
玄米食のメリット
白米は食べやすく美味しいのはだれもが知るところですが、ここでは栄養価の面で、精白した白米と玄米にはどのように違いがあるのか下に日本食品標準成分表に基づき、うるち米の精白米と玄米を炊いて「ご飯」となった状態の成分から差異の大きいものを比べてみました。
成分 | 精白米 | 玄米 | 倍率 | |
---|---|---|---|---|
一般成分 | 脂質 | 0.3g | 0.1g | 0.33 |
灰分 | 0.1mg | 0.6mg | 6 | |
食物繊維 | 0.3g | 1.4g | 4.66 | |
無機質(ミネラル) | カリウム | 29mg | 95mg | 3.27 |
マグネシウム | 7mg | 49mg | 7 |
|
鉄 | 0.1mg | 0.6mg | 6 | |
マンガン | 0.35mg | 1.04mg | 2.97 |
|
ビタミン | ビタミンB1 | 0.02mg | 0.16mg | 8 |
ナイアシン | 0.2mg | 2.9mg | 14.5 | |
ビタミンB6 | 0.02mg | 0.21mg | 10.5 | |
葉酸 | 3μg | 10μg | 3.33 | |
ビオチン | 0.5μg | 2.5μg | 5 |
ご覧の通り玄米の方が白米より特にビタミン類を中心に栄養を摂取できそうです。気になるエネルギー、タンパク質、炭水化物に関してはほとんど差異はなかったので表には入れませんでした。
次に玄米の特徴として大きいのは「フィチン」という物質の存在です。フィチンは穀類や種子に含まれ、植物にはもともと含まれる天然成分です。
リン酸化合物であるフィチンは通常、他のミネラル分と結合して安定しています。それが体内に入ると「フィチン酸」となり、もともと結合していたミネラルと遊離します。
このフィチン酸がキレート作用といって体内にある有害物質である重金属や化学物質のミネラルと結合し、強い排泄作用を促し、体外へ排出してくれるそうです。
1985年にはフィチン酸の摂取量が多い場合、大腸癌の発生率が下がることが分かり、1998年には尿路結石、腎結石の予防、歯垢形成抑制、乳癌、肺癌、皮膚癌の予防に役立つ可能性がある事が分かりました。
今でも、大腸癌予防に良いのは食物繊維の効果と思われている方も多いようですが、具体的にはこの食物繊維に含まれるフィチンの効果によるものなのです。
これらのことから白米に比べて豊富なミネラル分、食物繊維を摂取できる可能性とフィチンのキレート作用による体内の有害物質の排出が期待できるところがメリットと言えるでしょう。
ところが油断できない玄米食のデメリット!!
栄養成分だけ比較すれば玄米は白米より断然多いのが分かった訳ですが、玄米のフィチンについてさらによく調べていると先ほど説明したような効果が都合良く働いてくれない可能性があることが分かるのです。
次のような全く違った意味の説明を見かける事もあり、混乱を誘います。
- 通常、玄米中でのフィチンは、ミネラルと結合した状態で含まれ、そのまま摂取してもその有益な物質は消化吸収できない
- フィチン酸が体内にあるミネラル分まで結合して排出してしまう。
これらの説明は両方とも考え方が極端で偏っていると思いますので、ここで私なりに頑張って、整理してみます。
まず最初に、フィチンは他の複数の物質と結合しきっていて、安定した状態で存在している。
このフィチンが体内に入ると結合していた物質と遊離し、不安定なフィチン酸となる。
このフィチン酸が今度は体内に存在していた他の栄養分や毒素と結合してまたフィチンとなる。
これを繰り返しながら最終的に排出される。
と言う訳でもともとフィチンと結合していた物質は、体内でいったん遊離した時点で、消化吸収される状態になるし、またその消化吸収される物質より、フィチン酸と再び結合して排出される物質の方が量が多いと言う事も理論上考えにくいことです。
結論としては
- 玄米中に含まれたミネラル分などが摂取できない事はないけれど、摂取した分の代わりに体内の他の何かしらの物質とフィチン酸が結びつき失われてしまう。
- 特別、体内にあった有益なミネラル分ばかり失われるわけでもないが、かといって有害な毒素ばかり排出してくれるでもない。
と言うことで、そこのところは個人の消化能力にも大きく左右されるのではないでしょうか。
フィチンについてはこのようにプラスの効果とマイナスの効果が合わさり、この点だけみると、白米より抜群の栄養摂取ができるとは言えないと思います。
フィチン以上の脅威
さらに、フィチンともうひとつ、籾や糠部分に含まれる物質であるアブシジン酸(通称ABA)という植物ホルモンの一種について説明します。
そもそも植物の種子には土の上に落ちた後、発芽できる環境が整うまで、動物に食べられることなく、むやみに発芽してしまうことを抑える「発芽抑制因子」の機能が働いているそうです。
玄米の場合、フィチンとABAがそれにあたり、フィチンが発芽に必要なミネラル分等と結合し、外に出さないようにしている一方でABAは他の物質に対して攻撃する毒性を持っているのです。これを発芽毒といいます。
この毒性がかなり重大な問題で、摂取すると細胞内のミトコンドリアの働きを妨げることになります。
ミトコンドリアはエネルギー代謝に関わる、重要な細胞の小器官で機能の低下が著しくなると死に至ることもあるようです。
通常、体温維持、免疫力に関与している物質なのでこれが傷つけられることは、あらゆる病気につながります。
例えば体温は1度低下すると免疫力が30%低下すると言われていますので、冷え性、肥満、むくみ、アレルギー、高脂血症、生理不順、生理痛、不妊症、慢性疲労、肺炎、気管支炎、痛風、糖尿病等々の原因になります。
栄養摂取のために食べた玄米がこれでは細胞活性抑制により、老化を早めたり、病気になる結果となりうるのです。
さらに玄米は消化が悪いです。胚芽部分が残っているため、取り除いた白米に比べると胃腸の負担は大きいと思われます。 ですから体調が悪いときは控えるべきですし、乳児や消化能力が衰えている高齢者にも向かないかもしれません。
・・・ここまで調べていて、分搗き米を食べて満足していた私ですが、そうもいかなくなってきました。分搗き米でもこの毒性は残っているのですから。。。
ではどうしたら良いか。もはや玄米は食べない方が良いのか。
いえいえ、そんな事はないようです。次の項で説明します。
発芽玄米ってなに
前項ではフィチンの微妙な特徴と発芽毒と消化の悪さについて触れましたが、それらの問題を一挙に解決する方法があるようです。 その鍵が「発芽玄米」です。
その名の通り発芽した玄米の事ですが、どの様にするかというと常温の水かぬるま湯に1~3日浸けていると(※方法はこの限りではない)、玄米は芽を出し、成長する準備を始めます。0.5~1ミリ芽が出た状態で玄米の固さがなくなります。 この過程において玄米中の成分に大きな変化が起こります。
十分な浸水
⇓
○フィチン ⇒変化⇒ イノシトール(ビタミンB複合体)
○ABA ⇒変化⇒ ファゼイン酸(PA)
⇒変化⇒ ジヒドロファゼイン酸(DPA)
⇓
毒性消滅
こうなれば玄米中のフィチン酸の働きも抑制されるようになり消化、吸収しやすくなります。
つまり栄養価は高いけれど、発芽毒があり、消化吸収がしにくかった玄米の難点がこれで一気に解消されるわけです。
うれしいことに他にもまだ利点がついてきます。
血圧上昇を抑えたり、抗がん作用(主に大腸癌)、心疾患予防、糖尿病予防、肝機能改善、成長ホルモン分泌作用等などが期待できるガンマアミノ酸(通称:ギャバ)が玄米よりも増える事や、最新の研究ではストレスの抵抗力が増し、脳内のセロトニンを増やす可能性や神経障害の症状抑制、解毒酵素として知られる物質、ホモシステインチオラクトナーゼの活性を高めたりと様々な良い研究報告があるようです。
ここまで分かればもはや玄米を食べるなら発芽玄米を選ばない理由がないですね。
と言うか玄米は必ず発芽玄米にしてから炊かなければ体にとって良いことはなく、栄養価を取り除いた白米を食べていた方がまだマシ。といえるのです。
毎日の主食として分搗き米を普通に炊いて食べていた我が家でも、ここまで分かった時点で玄米(もちろん発芽玄米)の日と白米の日を適度に設ける食事に替えました。
補足;分搗き米は、長時間浸水するとABAが増えるそうです。
途中までとはいえ、精米中に傷ついて胴割れなどを起こし、発芽能力を失うと同時にいっそう発芽毒を高めてしまいます。
ですから分搗き米を食べるなら七分以上にした方が無難、という私なりの結論です。(これなら発芽毒もほとんど取り除かれているし、多少、白米よりは栄養価も高く、食べやすく、白米と同様に炊けます。)
精米機はよく街角なんかで見かけますが、実は家庭用の物が手軽な価格で販売しています。
オススメ精米機↓:
山本電気 家庭用精米機 MICHIBA KITCHEN PRODUCT 匠味米 ホワイト MB-RC52W
我が家ではこの商品の旧モデルを使っていますが、実にシンプルで使いやすく、重宝しています。
玄米の選び方 3つのポイント
では発芽玄米を食べるために玄米を手に入れる訳ですが、玄米を選ぶ時の注意点というか大事なポイントを3つ挙げます。
ポイント1
最重要なのは、玄米を買うとき、発芽する玄米を選ぶことです。
当たり前の事を言っているようですが、市販の玄米には時々、発芽しない玄米があるようです。この原因は出荷前の乾燥時に人工的に高温で乾燥させた場合に、玄米の発芽機能が死んでしまうのではないかと考えられているようです。
ポイント2
次に残留農薬の有無に注意です。
玄米は外皮や胚芽部分が残っているわけですが、農薬などはそこに最も集中して残留します。 栄養分を摂取したくて食べるのに農薬の被害にあっては本末転倒ですから注意深く農法を確認するべきだと思います。
最低限、玄米として食べることを前提として米作りしている信頼できそうな生産者のものを探すのが良いと思います。
安いからといってどこの農家がどのような農法で育てたか分からない玄米は発芽率の点と同様、かなりリスクが高いと言えますので注意しましょう。
ポイント3
発芽玄米として売られている玄米は選ばない事。
とにかく玄米のフィチンとアブシジン酸(ABA)のもつ発芽抑制因子である発芽毒を打ち消したいわけです。
にもかかわらず、「発芽玄米」として売られている米は、1度発芽モード(発芽環境が整い胚芽内で成分変化が始まっている状態)に入ったものを、商品として流通させるため再び乾燥させるなり、人工的にそれ以上の成長を止めているのです。
それでは、玄米としては、「あれれ???発芽にはまだ早かったか」と再び発芽抑制因子の働きを強めます。しかも最初の状態よりも強力な発芽毒を産生するのだそうです。
「発芽玄米」を買う方は浸水なしで白米のようにすぐ炊いて食べるつもりなのですからそれでは玄米のデメリットである発芽毒をがっつり摂取することになります。ここでもやはり白米を食べている方がマシとなってしまいます。
(この事は市販の、白米に混ぜて炊く雑穀米などにも言えることで必ず発芽モードになるまで浸水してから炊かなければ程度の差こそあれ、腸内を傷つけて排出するだけの逆効果となってしまいます。)
この、元より増した「発芽玄米」の発芽毒を再度無くすためには元の玄米の時の2倍以上の浸水時間が必要だそうなので、普通の玄米より高価格の「発芽玄米」の商品を買うのは全くもって馬鹿馬鹿しいくらい無駄ですね。
発芽玄米は炊く直前に炊く分だけ自宅で発芽させるのが最重要なのです。
発芽玄米の炊き方
ではいよいよ、この玄米問題の話も終盤です。
程よく発芽して安全な玄米が手に入ったらあとは発芽させて炊くだけです。
と、こう言うと簡単ですが、ここが一番玄米食の、肝といえるのではないでしょうか。
正直言ってここまでは少し頑張って調べてみたら分かった情報です。
しかしここから先は経験が必要な部分で、「こうすれば良い」と一言で説明できる事でもないし、答えは一つ、でもないので実際にいろいろと試しながら自分流の方法を探る必要があると思います。
ただ個人的には、かと言って、所詮ただの家庭料理ですから、難しく考える事もないと思っています。
とにかく発芽させてから炊くこと
これさえ厳守すれば、後は美味しいと感じる固さに炊くことを目指すのみです。
私もまだ経験が未熟ですから、毎回探りながら炊いていますが、そこそこ美味しく頂けていますので、一つの例として説明してみます。
まず玄米の発芽条件を挙げます。
- 適度な水分
- 適度な温度
- 適度な酸素
以上です。
適度な水分とは、しっかり一粒一粒にこれ以上含ませられないくらいの水分を浸透させることです。そのためには一定時間、玄米をつけておくことが重要です。
その目安時間は
- 夏場:12時間
- 冬場:24時間以上
適度な温度とは10℃~42℃とかなり幅はありますが、できるだけ短時間で済ませたい場合は30℃くらいのぬるま湯を維持すると早いうちに発芽し始めるようですし、冷蔵庫の野菜室でじっくり発芽を待つ方法もあるようです。
適度な酸素は水分中にも含まれますので、浸けておけば特に問題ないのですが、一つの方法として、水分が適度に浸透した時点で米を水から出してしまい、乾燥を防ぐため、濡れ布巾などをかけたまま、その状態を維持しておくと、空気中の酸素の方が多いため発芽が早まるそうです。(私はまだ試した事がありませんが)
何よりも実際の吸水状態をよく観察し、発芽し始めた時点で炊き始めるのが最も美味しくするポイントです。
(発芽が進みすぎると食味が悪くなるので、胚芽の先が少し尖りだし、0.5ミリ程度でてきたら十分です。)
又、すべての米粒がそこまで進んでいなくても発芽の兆候さえあれば内部ではすでに成分変化があるそうです。
これらを踏まえて私の場合、
- 最初に圧力鍋で、炊くときの分量よりも多めのぬるま湯(30℃くらい)を入れて蓋をしておく(こうすることで温度はゆっくり下がるため)。
- だいたい半日ごとに常温の水で入れ替える。
- 今の時期(10月)で1日~1日半もすれば玄米が白っぽく膨らみ胚芽部分は黄色っぽく、先の方が出っ張ってくる。
- 水を適量、入れ替えてそのまま、圧力鍋で炊く。
水を適量と書きましたがやはり炊くときの水の分量で炊きあがりの固さが決まります。
米1:水1.2 位が私的にはベストかと思われますが、これは炊く鍋や炊飯器の違い、火加減に影響するでしょう。何度かやるうちにコツがつかめると思います。
炊き方に関して、それぞれの調理器具に合わせて炊くべきだと思いますが、ここで付け加えておくべきは、玄米を炊くための炊飯器の存在です。
今は炊飯器の進化により短時間でも美味しく炊けてしまう炊飯器がたくさんあるようなので、「玄米は食べたいけどいろいろ手間かけるの面倒くさい」という方にはこのような炊飯器は重宝すると思います。保温もできますし。
ただ気をつけて頂きたいのは玄米からセットしてボタン一つで発芽から炊飯までしてしまう炊飯器だと、玄米がどの段階でどのくらい発芽しているかが確認できないと思います。
短時間で発芽させて、炊きあげる機能(どういう仕組みか分かりませんが)がついたものなら良いのかもしれませんが、しっかり発芽玄米になっている事だけは注意してください。炊飯器も慎重に選ぶべきかと思います。
因みに我が家では土鍋を使っています。
https://ruppatiti-rupam.com/post-2278/
まとめ
長くなりましたが、ようやく話が終着点にたどり着きそうです。
はじめに、「日本人と米の歴史」の項で昔の人々の玄米の食べ方について触れましたが、最初は火で炙ったり、そして蒸したり。などしているうち、おそらく試行錯誤の末、結果として、熱を加える事と水にふやかす事は必須条件として体得していたのだと想像します。
発芽毒は浸水以外にも、フライパン等で200℃以上の熱で乾煎りすることでも消すことができます(もっともこの方法はパサパサして炊いても美味しくありませんが)から、自然とそのような先人たちの知恵として備わっていたのではないでしょうか。
最後に、私なりの今のところの見解ではありますが
「発芽していない玄米ではいくら美味しくて炊けても健康には良くない」
という結論です。
明治時代以降私たち日本人は白米にまっしぐらでしたから、玄米食に対しての知識が抜け落ちてしまっていたと言ったら大袈裟でしょうか。
少なくとも今回改めて調べてみて、私としては得るものがありました。と同時に、ウェブ上で覧られる様々な情報に少し困惑しています。
とくに売り上げだけ重視したような物販サイトには信頼がおけない説明ばかり、目につきました。
この記事に書いた事が本当に本当かどうか、すべて確実に確認することができません。
あくまでも自分が信頼できそうなウェブサイトや著書を元に自分なりにまとめた記事となった事をここに付け加えておきます。
まだまだ玄米については、良く考察する必要がありそうです。
長くなりましたが最後まで読んで頂きありがとうございました。