酒は身体に良いの?悪いの? その真相!!

年末年始、大いにお酒を飲んだ方も多いかと思いますが、ちょっと、というかちょっと気になる情報です。

先日、イギリスのケンブリッジ大学の研究チームがアルコール摂取による発ガン作用をはっきりと証明できるようになったと発表したのです。
以前からアルコールがガンのリスクを挙げていることは知られていましたが、そのメカニズムをはっきり説明できるようになったのは初めてらしいです。
ここであらためてアルコールと健康の関係を簡単にまとめてみました。

「酒は百薬の長」は真っ赤なうそ!?

昔から言われている言葉ですが、はたしてどうなのかな?と思う言葉でもあります。
ではそもそも誰が言い出した言葉なのでしょうか。
元をたどると中国の新朝の時代の皇帝王莽(おう もう)の言葉だそうです。
日本でいうと推古天皇や聖徳太子の時代です。 いずれも勢力争いの耐えない時代の皇帝ですからさぞかし心労も絶えなかったであろう立場です。 酒で気を和らげていたことは容易に推測できますね。
そしてこの言葉はお酒好きの人々が都合良く使いやすい言葉でもありますから、現代の日本にも伝わっているのでしょう。
しかし今では科学は進んでいます。 どちらを信ずるかは自由ですが、健康は大事です。
日本人の二人に一人がガンになり、世界1のガン大国ともいわれている私たちにとって、とても人ごとではない話ですから、ここは素直に英ケンブリッジ大学のケタン・パテル教授率いるチームの研究に耳を傾けてみましょう。

アルコールで発がんのメカニズム

今回の実験で明らかになった要点をまとめると

  1. エタノールを投与したマウスに造血幹細胞のDNA二重鎖の切断を確認した。
  2. これに対し人間は通常、2つの自己防衛機能を備えている。
  3. ひとつはアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)が、有害なアセトアルデヒドを酢酸に分解する機能。
  4. 3のALDHの一種のALDH2がもともと変異している人はとくに東南アジア人に多く、科学系ニュースサイトのサイエンス・アラートでは具体的な数字で5億4000万人としている。
  5. もうひとつはDNAの修復機能。
  6. しかしこちらの機能も個人差によりうまく機能しない人が多数いる。
  7. こうした自己防衛機能がきちんと作用している人であってもアルコールによるDNA損傷のリスクはなくならない。

避けられないリスク

つまり、どんなにお酒に強いひとでも、アルコールを摂取している以上特定のガンのリスクは避けられないのが事実と言うことです。

特に日本人は欧米に比べお酒に弱い身体なのに、戦後の食生活は飲酒を含め欧米化まっしぐらでしたから、ガン大国になってしまったのもひょっとするとよく言われる「食事」だけでなく、この「お酒」にもかなり要因があるのかも知れませんね。

英国のがん研究所は、特にがんの種類として、口腔がん、咽頭がん、食道がん、乳がん、肝臓がん、大腸がんを挙げていて女性の乳がんリスクは極めて高くなるそうです。
そして飲む量についても「がんに関しては安全な飲酒量などない」と断言しています。

これを聞いて私は仏教の教えを思いだしました。
本来の教え初期仏教の書籍で「お酒は飲めません。お酒は必ず飲まれるのです。」という一文がありました。

かなりインパクトのあるフレーズだったので憶えているのですが、どんなに強くて、自分では飲んでいるつもりでも、確実に思考は鈍り、「飲まれている」(犯されている)という意味です。
ガンの話とはちょっと逸れましたが、とにかく良くないものは良くないと受けとめざるを得ない教えです。

話が逸れたついでに仏教から、こころの視点で、お酒について言及されている教えがありますのでご興味ある方はこちらの記事も一読してみてください。
https://ruppatiti-rupam.com/fuonju/

飲酒のリミット、セーフゾーン

ここで話が終わっては、お酒好きの方にコクなので、それではせめてどのくらいならリスクが低いのか?ですが。
イギリス、アメリカ、日本の公的機関が定めたリミット、いわゆるセーフゾーンを見てみましょう。

イギリス政府が定めたガイドライン

アルコール度数4%程度のビールで1週間に約3.3ℓ。12%のワインなら約1.2ℓまでを推奨しています。

アメリカ国立衛生研究所のガイドライン

アルコール度数5%程度のビール340㎖を2時間以内に男性は5本、女性は4本以上飲むと深酒とし、これを一ヶ月に5日飲むと飲み過ぎとしているようです。 男性で1週間に計算すると2ℓ弱です。

日本の厚生労働省では

「節度ある適度な飲酒」の量として、5%程度のビール500㎖を一日平均1本としているので1週間にすると3.5ℓとなります。

実際の飲酒量は定かではありませんが、意外とアメリカは厳しく日本が一番ゆるいようです。

まとめ

いかがだったでしょうか。
お酒にはたばこ同様に税金がかかりますし、酒造関係企業は多数ありますから政府やマスコミ等が積極的に控えるような訴えかけを起こすことはないと思いますが、私も自分の健康管理は最低限しっかりしていきたいと思います。

これからは特に、堕落した食生活によって病気にかかる人が増えては医療従事者の負担は増える一方ですし、健康保険の値上げにも繋がりかねません。国民一人一人の正しい知識が問われる問題だと思いました。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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