調味料のアミノ酸とは何のことを言っているの? 本当のことを教えて欲しいよね。

食品添加物が体に与える影響はどの程度なのか?

今までもいくつか調べてみたことがありますが、スーパーやコンビニなどで売っている多くの食品の原材料表示欄によく目にする表示に

アミノ酸」という文字があります。

文字からのイメージでは全然危険な感じは受けませんし、むしろ体に良いのでは?と思っている方も多いようです。

普段から「必須アミノ酸」などはよく目にする名前なのでおそらく誰もが抵抗感を持つ人は少ないでしょう。

ただ、このアミノ酸について本当の正体を知っている人もまた少ないのではないでしょうか?

今回はこの食品添加物表示にみる「調味料(アミノ酸)」について注目してみたいと思います。








(アミノ酸)は調味料の一種

食品表示欄書かれている「アミノ酸」の文字。

よく見ると表示には「調味料(アミノ酸)」と書かれている事が多いですね。

つまり調味料の一種のようですが

じゃあ、調味料って何?ってなりますよね。

まずはそこからから確認してみましょう。

食品添加物の調味料

日本食品添加物協会によりますと

調味料は、食品に旨みや塩味などを付与・増強し、また味の調和や調整をして味覚の向上や改善に使用されるものです。ただし、甘味の目的で使用される甘味料、酸味の目的で使用される酸味料、苦みの目的で使用される苦味料は、別に分類されます。

とのこと。

調味料は4つのグループに分類されているようです。

グループ食品添加物例
特徴
アミノ酸

L-グルタミン酸ナトリウム、グリシン、DL-アラニン昆布の旨みの本体であるグルタミン酸ナトリウムが代表格。
核酸5’-イノシン酸ナトリウム、 5’ーグアニル酸ナトリウム、 5’ーリボヌクレオチドナトリウム鰹節の旨みの本体といわれている(5’-グアニル酸ナトリウムはしいたけのうま味)。
有機酸クエン酸三ナトリウム、 コハク酸、 コハク酸ナトリウム鶏ガラの味(クエン酸ナトリウム)やあさりやしじみのような味(コハク酸類)の本体。
無機塩塩化カリウム、ホエイソルト塩味があり、減塩のため食塩の変わりになる。食塩と併用でコクがでて味がひきしまる。

で、この中でも私達がよく目にするのはやはり「アミノ酸」ですね。今回の本題です。

調べてみると、実はこの中でもアミノ酸グループの中にあるL-グルタミン酸ナトリウム核酸系調味料を併用すると抜群にうま味が増大する事が分かります。

これはうま味の相乗効果といわれ業界では鉄板な使い方なようです。

ですから、原材料表示欄に「調味料(アミノ酸)」と書かれている場合には、ほぼこの組み合わせ(L-グルタミン酸ナトリウム+核酸系のいづれか)で使われていると思って良さそうです。

L-グルタミン酸ナトリウムってなに?

ではL-グルタミン酸ナトリウムについて確認しましょう。

グルタミン酸ナトリウム(グルタミンさんナトリウム, monosodium glutamate (MSG); グルタミン酸ソーダグル曹とも)はグルタミン酸のナトリウム塩。構造式は HOOC(CH2)2CH(NH2)COONa。分子量 169.11。この物質のアミノ基が手前側に出ているL体は調味料として多用される。

wikipediaより引用

構造式を知ったところで私達素人にはだから何?って感じですね。

知りたいのはグルタミン酸ナトリウムが体に悪影響があるのかどうか?です。

それを明らかにするためには、この物質の誕生から安全性に関係する出来事を見ていくことにします。

グルタミン酸ナトリウム(MSG)の誕生

誕生したのは1908年です。池田菊苗という人物が海藻から抽出したグルタミン酸ナトリウム(MSG)が昆布のうま味のもとであると断定し、味の素社が商品開発したのがはじまりです。

味の素社は当初、この商品をつくるのに、小麦などのグルテンを加水分解することで生産していたそうですが、この方法だとコストが非常にかかることを理由に、生産方法を変えています。

石油由来成分(アクリロニトリルなど)による合成などが試されたようですが、結局現在では共和発酵キリン株式会社(元、共和発酵工業)が発見した「グルタミン酸生産菌」にサトウキビから砂糖を搾り取った残りカスをエネルギー源として与えて発酵させる方法が主流となっているようです。

ところで味の素社のCMではあたかも自然素材のサトウキビをそのまま発酵させて作っているかのように見せていますが、実際は何のことはない、廃糖蜜(砂糖の副産物)といわれる砂糖を搾り取った残りカスによってグルタミン酸生産菌を発酵させてつくります
味の素社はこの製法で、コストを大幅にさげることができたわけですね。

グルタミン酸生産菌を発酵してできるのは厳密には「グルタミン酸」なのでその後、水酸化ナトリウムを作用させてグルタミン酸にすることで「グルタミン酸ナトリウム」を得るそうですが、注目すべきはその発酵過程です。

発酵過程ではさらに苛性ソーダ、硫酸アンモニウム、抗生物質、界面活性剤などを添加します。
生産菌の活性化や発砲を調整するのに必要なようですが、これでは到底CMの自然のものだけでつくられた体に優しいイメージとは全く違いますね。

「味の素」の正体は「ナトリウム化合物」であり、まさに化学調味料の代表格といって良さそうです。

中華料理店症候群ってなに?

何はともあれ、グルタミン酸ナトリウムを使う事で私達は簡単にうま味を感じることができ、自分で出汁をとらなくても簡単にそれなりの味の料理をしたり、手軽に加工食品を買って食べる事ができているわけです。

あらゆる加工食品や飲食店でも多用されているのが現状ですが、1960年代にアメリカの中華料理店で中華料理を食べた人々が食後に炎症を覚え、頭痛や発汗、体のしびれなどを訴える人が現われて社会問題となりました。

しかしその原因が直接、うま味調味料であるグルタミン酸ナトリウム(MSG)であるかどうかははっきりとせず、その一件以降はそのような報告はほとんどみられないようです。

もし、致命的な実験結果などがあるのなら100年以上もの間世界中で使用されているはずもないので、この出来事はそれほど重要なことは意味しない様にも思えます。

それでも世間では今でもグルタミン酸ナトリウム(MSG)が体に良くないと認識している人々と、科学的に根拠が無いとする意見に分かれているようで、真相は定かではありません。

では、はっきりしていることは何かというと、それは

アミノ酸であるグルタミン酸は脳における神経伝達物質である。

ということ。

神経伝達物質にはアミノ酸類の他にペプチド類、モノアミン類の3つに大別できるようですが、中でもモノアミン類であるノルアドレナリンドパミンセロトニンは人の感情と密接に関係する物質で、これらの物質の機能低下により鬱病が発症すると考えられています。

グルタミン酸ナトリウムも直接脳に影響を与える物質であることは間違いなく、一説(神経生物学者のスティーブン・ローズ氏の見解)には「大量に摂取することで大脳のグルタミン酸興奮性シナプスの過剰興奮が発生し、神経毒として作用するかもしれない」とも言われています。

1969年のアメリカではこの問題は上院の食品栄養保険選択委員会でも取り上げられました。

そこでの証言の一つに神経病理学及び精神病学者のジョン・オルニー博士の次の証言があります。

乳児が食べる量と同じ比率でマウスにグルタミン酸ナトリウムを投与したらと脳と目に障害が生じた。

日本でもこのことに注目して研究されている人がいました。愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所の井上氏も実験により脳障害を起こすことを確認しているようです。

こうなると、60年代のアメリカの中華料理店でおきた出来事はあながち無視できるものでもなさそうです。

私の想像ですが、一般に中華料理店で使う調味料の量は例えば和食と比べれば圧倒的に多いと思います。

当時のアメリカですから、その量は想像以上に多量である可能性はないでしょうか?

神経伝達物質であり、実験(マウスによる)でも脳障害が認められているグルタミン酸ナトリウム(MSG)は一定の摂取量を守る必要があるのは明らかだと思います。

実際、欧州食品安全機関(EFSA)は2017年、実験のもと、ヒトの一日摂取許容量(ADI)を30mg/kg bw/dayとする意見書をまとめています。

米国FDA(食品医薬品局)でも胎児への影響を考慮し、特に妊娠中の女性に対してはグルタミン酸ナトリウムの摂取には医師のアドバイスを求めるようにと勧告をだしているようですので、人によって摂取量が多い場合には何かしらの悪影響があるかもしれないと思っていた方が良さそうです。

化学調味料の代表格。グルタミン酸ナトリウム(MSG)に頼り過ぎの食品業界

大量の摂取で脳の神経毒ともなりうるグルタミン酸ナトリウム、その生みの親である味の素社はどの様な見解なのでしょうか?

味の素社はFDA(米食品医薬品局)、FAO(国連食糧農業機構)、WHO(世界保健機構)などの実験で「安全性は立証された」と主張しつつも、実はそれらの実験では共通して「エサに混ぜて与えている」点から、「あくまでも食品と共に摂取した場合には、」といったニュアンスでの主張のようです。

実際、1972年の8月頃には当時社長、鈴木恭二氏はグルタミン酸ナトリウム(MSG)について「3グラム以上の空腹時の摂取は危険」、「味の素の使いすぎはいけない!」と警告し、自主規制までしているそうです。

さらに調べていて知った事実ですが、ヒトの幼児は実験に使われているマウスやサルに比較して血中のグルタミン酸濃度変化がはるかに大きいのだそうです。

私達の脳は通常、有害物質が流れ込まないように血液脳関門(BBB)と呼ばれる組織があるのですが、この組織が未発達な乳幼児は有害物質がより強く、脳および神経に損傷を受けることになります。

一説にはヒトはマウスよりも20倍も感受性が高いとも言われているのですから、やはり頭痛やしびれが起きることは十分あり得そうです。

私達が気を付けるべきは何でもそうですが、偏った食品の摂取です。

とくに調味料ともなれば自然のものでさえ、取り過ぎれば体を壊すのは当たり前です。

ましてや化学調味料なら?

グルタミン酸ナトリウム(MSG)で、知っておくべき性質として、ある一定量を超えると味覚が麻痺してしまうところです。

私達の味覚ではグルタミン酸ナトリウムのうまみは耳かき一杯程度で十分感じることができるようですが、もしそれ以上入っていたとしても気づくことができないのです。

自然の調味料である塩や砂糖ならば入れ過ぎた場合、それを美味しいとは思いませんよね。
それらは入れ過ぎればすぐに気づき、それ以上口に入れないはずです。

でもグルタミン酸ナトリウム(MSG)はいくら入っていても気づきにくいのです。
極端な話、外食などで調理人が何かの間違いであっても過剰に入れてしまえば出された私達はそれをまるまる食べる事ができてしまいます。

そういった性質であることをまず認識しておきましょう。

で、あらためて私達の身の回りにある加工食品や調味料をよく調べてみると本当に「調味料(アミノ酸)」の文字が多い事、多い事。

その多さに愕然とすることでしょう。

もはや完全に避けることなどできないほどです。
食品業界ではコストが最重要なようですので、この現実は簡単には変わらないでしょう。

そもそも今まで見てきたように脳や目に悪影響を及ぼす恐れのある化学調味料にもかかわらず、現在表示欄にはどうみてもそのような雰囲気の表現のものはない、というところからも企業側に都合がよくできた表示法です。

これはわざわざ1991年の7月から「添加物の全面表示を義務化」と聞こえだけは良い法律で実施していることです。

もはや、消費者を馬鹿にしているとしか思えませんので、消費者である私達が自分自身で知っておく必要がある時代なんだなあと思います。

食品一つひとつに含まれる量が微量でもこれだけ、あらゆるものに含まれていれば一日の摂取量が欧州食品安全機関(EFSA)がまとめた30mg/kg bw/dayを越えることだって簡単にできてしまうのではないでしょうか?

あらためて、私達は自分や子どもたちの食生活を自分自身でよく管理する必要があるのだと思います。

調味料(アミノ酸)にも注意

ところで、現代人特有の生活習慣病のひとつに「痛風(つうふう)」という病がありますね。

ほとんどのヒトは足の指の付け根や膝がとにかく痛むのだそうですが、一度罹ると結構完治するまでには時間がかかるようです。

私の周りにも何人か知っていますが、とにかく普通に歩くことも難しい位のようです。

この原因もまたいろいろとあるようですが、基本的に食生活ですね。
欧米型の肉中心の食事なども挙げられているようですが、何を隠そう今回の本題でもある調味料の一種、核酸系。
これが痛風を引き起こす原因にもなっているそうなんです。

よくプリン体がどうのこうの、っていうのは痛風の原因として聞いたことがありますが、核酸系の構成単位にも「プリンヌクレオチド(ヌクレオタイド)というのがあるのです。

特に腎臓が弱ってうまく機能していない時などに体内に入ると尿酸という形で膝関節などに溜まってしまうのが要因で、これは尿酸をうまく分解して体外へ出すことができない霊長類ならではの症状なのだそうです。

普段から居酒屋などで飲み歩く機会の多い人や、外食に頼って生活している人はこの核酸系にも要注意なわけですが、この表示がまた・・・。

単独で使われている場合には「調味料(核酸)」と表示されますが、先にも述べたようにグルタミン酸ナトリウムと併用することでより深いうま味を出せることからメーカーはこぞって併用しているわけです。

結果、表示には「調味料(アミノ酸」としか書かれていません。。。

まとめ

今回は「調味料(アミノ酸)」のアミノ酸って何?と言うところから始まり、少し長々と書きましたが内容をまとめると

  • 調味料は4つのグループに分けられる
  • アミノ酸系の中のL-グルタミン酸ナトリウム(MSG)が一般に多く使われている
  • L-グルタミン酸ナトリウムは味の素社が開発した化学調味料の王道
  • 過剰の摂取で頭痛やしびれなどが起こりうる
  • 食品業界ではあまりに使われすぎているため積極的に避けないと知らず知らずのうちに過剰摂取
  • とくに妊婦や乳幼児には要注意するべき
  • 核酸系は痛風の原因として有力
  • 表示では「調味料(アミノ酸)」ならほぼL-グルタミン酸ナトリウム
  • 調味料(核酸)」なら核酸系グループのいずれか
  • 調味料(アミノ酸等)」なら特に取り過ぎ注意のL-グルタミン酸+核酸系

ということで、

ちょっと面倒でもやはり自宅で料理するときくらいは昆布や鰹節を使った出汁をとった方が良さそうです。








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