慈しみとは

仏教用語で「慈しみ(いつくしみ)」

という語がありますが、この言葉の意味を、あくまでも自分なりに説明してみようと思います。








慈しみの意味

仏教を説いたお釈迦様が使っていた言葉であるパーリ語では「mettā(メッター)」と言います。

この「mettā(メッター)」を慈しみ、と訳すのが一般的ですが、そもそもが日本語ではないので、慈しみを理解するのは難しく感じるかも知れません。

しかし、日本語で意味するとすれば多くの方々がうまく表現されていると思います。

まとめると、

  • (相手に対して)怒りが無い状態。
  • 幸せを願う気持ち
  • 友情。親友に対する気持ち
  • 自分の事のように相手を思う気持ち
  • 親が子どもを命がけでも守ろうとする気持ち

といったところでしょうか。

慈しみは開発しなくてはならない

慈しみの意味は分かりました。

ところでお釈迦様は、生命には生まれつきに「慈しみのこころ」を持っているわけではない、と説かれているようです。

残念です。

たしかに生まれつきにこのような気持ちがあるのなら、世界はすでに平和一色、となっていることでしょう。

おぎゃ~と生まれた直後なら純粋な気持ちを持っているとお思いですか?

客観的に観察してみれば分かりますが、決してそんなことはありません。

赤ちゃんだって最初から主観でしか物事が把握できませんから、自分が楽になるのに必死です。

自分の都合に良いことに対しては笑い、都合が悪いモノには徹底的に抵抗します。
知識が無いので、とにかく泣き叫ぶのです。

つまりやさしい人にはやさしくなり、怒る人には怒りで攻撃的になり、どちらでも無い人には無関心になるだけです。

基本的に生命はこのように生きていますがそれは、言ってみれば環境に左右された生き方です。

でも人間だけは他の動物などと違い努力次第で環境に左右されるのではなく、自分の心をコントロールしながら生きていくことができるのです。

私達は人間に生まれている時点でとてつもなく大きなチャンスを得ているのです。

※人間に生まれることの貴重さについてはこちらで書いています。⏬
https://ruppatiti-rupam.com/oyakoukou/

つまり「慈しみのこころ」が無いのなら開発すればよいのです。

そうまでして、意識してでも努力する価値のあるモノなのです。

慈悲喜捨(じひきしゃ)

どの様に開発するか、その方法は「慈悲の瞑想」「サマタ瞑想」などの単語で検索すると専門の方々が教えてくださっているのでここでは、瞑想の対象となる「慈しみ」を含める4つの言葉をご紹介します。

慈(じ)

友情
人の幸せを願う気持ち

悲(ひ)

哀(憐)れみの感情
苦しみ、悲しみを取り除きたいと願う気持ち

喜(き)

人の幸福を見て共に喜べる感情

捨(しゃ)

物事に対して平等で冷静な感情

いかがでしょうか?これらの感情は正直、普段の生活の中では、なかなか自然とわいてくるものでは無いかも知れません。
だからこそ強く意識して心の中で願い、祈ることを繰り返して、こころを修正していく必要があるのでしょう。








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