こんにちはsoraoです。
今回は日本でもよく聞くようになった言葉「自由業」や「フリーランス」、また自営業、個人事業について。
この国の制度上ではどんな立場でどのような特徴があるのか?
調べてみましたので、できるだけ簡単にまとめます。
目次
フリーランスの語源
はじめに、フリーランスについてから見ていきます。
「free lance」「free lancer」という言葉は元を辿ると中世のヨーロッパにおける「槍騎兵(ようきへい、やりきへい)」からきているそうです。
当時、各国の王や貴族は主力となる騎士を中心に戦争に望む際、その補強として、戦争の度に傭兵団(直接利害関係の無い兵士、またはその組織)と契約を交わして戦いに望みました。 中でも重装備の兵士は槍を持つところから槍騎兵、lancerと呼ばれ、1戦闘単位は1lanceとして契約されていました。
つまり、まだ敵とも契約を交わしていない(=free)槍騎兵(=lancer)という意味で使われていたそうです。
その後、近世以降になると、組織に属さずに働く状態の意味で使われるようになり、近年では日本でもよく使われるようになりました。
「フリーランス」は曖昧な表現!?
ここ日本でも近年よく耳にする言葉ではありますが、実はまだ日本においての法制度では、コレと言える定義がなく、非常に曖昧な部分もあります。
「組織に属さない働き方」が基本ですから、これだけだと、社会には「フリーランスサー」と言える人々がたくさんいることになりますね。
フリーランスと似た表現に「自由業」がありますし、「自営業」あるいは「個人事業」といった表現もありますが、これらはみんなフリーランスなのでしょうか?
具体的にはそれぞれどんな職業に使える表現なのか、といった点にも注目して確認していきましょう。
自由業ってなんなの?
それじゃあ、「自由業」っていう表現はどんな業なんでしょうか?
正直、すごくいかがわしいイメージを私は持っていますが、この際、はっきりしてさせたいと思います。
まずweblio辞書の解説から
時間や雇用契約にしばられない職業。著述業・弁護士など。
つづいてデジタル大辞泉の解説から
一定の雇用関係によらず、時間に束縛されないで、独立して営む職業。多くは特別な技能・技術・知識に基づく専門的職業で、芸術家・芸能人・医師・弁護士・会計士・文筆業など。自由職業。
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説では?
開業医、弁護士、会計士、コンサルタント、芸術家など、高度かつ専門的な知識・才能に基づく独立自営業者ないしその職業のことで、第三次産業のサービス業に属する。
産業社会の官僚制(テクノクラシー)化とともに、かつてはその独立性と学問的裏づけをもった専門的知識とにより高い社会的地位を得ていた専門職が雇用者化されていたが、脱産業社会の接近とともに、ふたたびその地位を回復・向上させつつある。[一杉哲也]
フリーランスと似て、まだ曖昧なところもありつつも、どの解説にも共通して言えるのは
- 雇用関係を結ばない
- 時間に捕らわれない
- 高度で専門的な知識に基づく独立者
と言った点が挙げられそうです。
「フリーランス」だけでは、1.雇用関係を結ばないだけの意味だったところに2.時間に捕らわれないところと3.高度かつ専門的知識を兼ね備えていなければできない職業、となると、、、。
いかがわしい、なんて言って済みませんでした・・・汗。
さらに調べてみると、自営業、個人事業との違いも見えてきます。
自由業と自営業の違い
自由業と自営業。その違いを比較してみるとやはり前項に挙げた3つの点に違いが見られそうです。
雇用関係
自営業者は、自分がどこかの組織と雇用契約を結び被雇用者となることはなくても、自分一人の手で仕事が回らなくなった時、誰かを雇って雇用関係を結ぶことはありえます。
自由業者はそういった一切の雇用関係も結ばないところが違いますね。
時間の拘束
自由業者の働く時間は決まっていません。「時間に束縛されない働き方」の最たるところに位置します。
一方、自営業者は会社員や公務員などの被雇用者よりは、時間の自由がききますが、ある程度「営業時間」は決まった時間になるかと思います。
これは個人事業主でもやはり同じです。一日の労働時間もそれなりになるでしょう。
でも自由業は違います。自由業は一日の労働時間が好きな時に好きな分だけ、極端に言えば5分程度で済ませられる場合もある、ということです。
高度かつ専門的な知識の有無
ここまで聞く限りでは、自由業はなんて羨ましい働き方だろう!! と思いますが、やはり世の中はそんなに甘くなく、こういった働き方ができるのはやはり、何か他の人々にはない優れた能力を身につけなければならないようです。
対して自営業の場合、専門的技術や知識が必要なものもありますが業種によっては(例えば物販や運送など)比較的なくてもできる事業があります。
つまり自由業とは、高度で専門的な知識や技術が必要不可欠で、場合によっては生まれ持った才能、資質にも関係するかも知れませんね。
自由業の特徴
要するに、自分一人で時間に拘束されず、なおかつ個人の能力、スキルを生かした仕事こそが「自由業」となるわけですが、具体的に言えば
- 各種デザイナー
- 作家、執筆家、コラムニスト
- セールスコピーライター
- コンサルタント業
- タレント
- ブロガー
- you tuber
- カメラマン、写真家
- ネットショップ経営
- 画家、イラストレーター
他にもあると思いますが、ざっと挙げただけでも、なかなか、一朝一夕にその技能を習得できるものではありませんね。
結構競争も激しく、きびしい業界が多いようにも思えますが、夢のある職業とも言えそうです。
また、大変な下積み経験をし、実績をつくるのも難しいながらも、一般的になかなか社会的信用は得にくく、住宅ローンなどは組みずらいのも特徴です。
さらに個人事業は何が違う?
最後に個人事業は他と比べてどんな違いがあるのか?ですが、これは読んで字のごとく、ですね。
株式会社等の法人を設立せずに自ら事業を行っている個人。
~省略~ つまり、個人事業主とは、会社経営者でもサラリーマンでも公務員でもアルバイトでも無職でもない者の総称と言うことである。 by wikipedia
職業が「個人事業主」と言えるようにするためには、税務署に開業届を出すだけで名分上は個人事業主となり、そのハードルはとても低いようです。
自由業とは明らかに違いますが、自営業とは同じ意味で使える言葉です。
あえて「個人事業」と言う時は、どちらかというと法人事業との違いを示したい時に、法人に対して、個人、と言うだけで、一般には自営業、と言えば済むのではないでしょうか。
フリーランサー、自由業者、自営業者、個人事業主全てに共通すること
フリーランサー、自由業者、自営業者、個人事業主に共通してやらなければいけないことがあります。
それは、毎年12月31日を決算日として収支決算をまとめ、原則、翌年3月15日までに所得税の確定申告を行うことです。
結局ここが、給与所得者との大きな違いですね。
収入から経費を引いた額が所得となりますが、その所得にかかる税金、所得税を算出するために税務署に前年の所得額を申告しなければなりません。(実際は各種控除等があります)
会社員や公務員など(被雇用者)の給与所得のみで生活する人は変わりにその組織が年末に年末調整してくれるので税金に対して特に自分ですることはありませんが、国民の三大義務のひとつでもある納税をするために自分で申告しなければいけなくなるのです。
さらには事業所得が290万を越える場合、事業税なるものが課せられます。 (これは事業種によって税率などに違いがあり、非課税のものもある)
このようなリスクから、あまりこれらの働き方に魅力を感じない、と言う人もいるようですが逆に、時間を有効活用しやすい面や自分で仕事を選べると言ったメリットは大きいので、リスクを覚悟しつつも、こういった働き方をする人、目指す人もまた少なくはないのでしょう。
まとめ
できるだけ簡単に分かりやすくまとめようと思いましたが、まだ説明不十分な点もあるかも知れません。最後に要点だけまとめてみます。
フリーランス
- フリーランスは企業や組織などに専従せず、個人の技能で独立した働き方の総称
- 日本では、「自由業」も同じ意味で使われる
- 自分一人で時間に拘束されず、なおかつ個人の能力、スキルを生かした仕事
自営業
- 会社経営者でもサラリーマンでも公務員でもアルバイトでも無職でもない者の総称
- 企業や組織に専従せずとも、必ずしも個人の能力だけで完結しない事業
- 日本では個人事業も同じ意味でつかわれる
個人事業
- 会社経営者でもサラリーマンでも公務員でもアルバイトでも無職でもない者の総称
- 自営業と同じ意味だが特に「法人事業」に対して「個人事業」を強調した言い方
ちょっと簡単にまとめすぎた感もありますが、私なりに納得できた気もします。
最後までお付き合いありがとうございました。