毎日食べても飽きないお米。やはり長い歴史の中で日本人にはお米が合うよう、DNAに刻みこまれているのでしょうか。
海外のお米料理も時には良いけれど、大抵の日本人はいつも日本のお米を使った白米か玄米、又は分つき米を頂いていますよね。
そんな誰もが毎日主食としているお米で、いったいどれだけの食べ方があるのか?
今回は全国各地の郷土料理など、ご飯の食べ方をまとめてみました。お米がいかに多様な食材と相性が良いかが分かります。
目次
宮城の暁粥(あかつきがゆ)
「あずきがゆ」ともいわれます。特徴はシンプルで米と小豆で炊いたごはんを粥に仕立てた食べ方ですね。
小正月に無病息災を願い、食べる習慣から宮城の阿武隈地域を中心に広まったようです。
岡山の鮒めし(ふなめし)
岡山南部に伝わる「鮒めし」はギンブナを三枚に下ろし、醤油、みりん、砂糖、だし汁等で炒め煮したものを、汁ごと、熱いご飯にかける。 地域により他の具材、例えばゴボウ、ニンジン、サトイモ等の根菜類や椎茸などのキノコ類、それに油揚げやネギ、コンニャクなどを加えるのが主流だそうです。
岡山のエビめし
同じく岡山は市街地中心に伝わるのが「エビめし」。ご飯にエビを加えて炒め、ドミグラスソース、ケチャップ、カラメルソースを基本に味付けし、最後に錦糸卵を乗せ、付け合わせに千切りキャベツを添えるのが定番。

wikipedia掲載画像より
鳥取のいがい飯(いがいめし)
鳥取県鳥取市青谷町を中心に、兵庫県北部の漁村や、徳島の漁村にも同様の郷土料理があるようです。
二枚貝の一種の「ムラサキイガイ」を用いたいわゆる炊き込みご飯です。この貝はヨーロッパで食用にする場合には「ムール貝」と呼ばれます。
青森のせんべいおこわ
「おこわせんべい」とも呼ばれているし、地元農家のおやつが発祥だったこともあり、「こ昼っこ(こびりっこ)」という通称もあるそうです。
赤飯などのおこわを南部せんべいで挟んで食べます。
南部せんべいが適度におこわの水分を吸って柔らかくなり、食べやすいおやつといったところでしょうか。

wikipedia掲載画像より
兵庫神戸のそばめし
B級グルメで有名になった神戸市発祥の「そばめし」。ソース焼きそばを鉄板でつくり、その後白飯をまぜてコテで全体を細かく刻むように炒めてつくります。牛すじを加える場合もあるそうです。
大分の吉野鶏めし(よしのとりめし)
全国各地に「とりめし」という名のごはん物がありますが、大分の場合、醤油、砂糖などの味付けで鶏肉とゴボウを煮込んでおき、ごはんが八分、炊けたところで混ぜあわせる方法でつくられます。
おにぎりにして食べる事が多いそうです。

wikipedia掲載画像
沖縄のタコライス
牛挽き肉に調味料等を加えて調理したタコスの具材を米飯にのせて千切りのチーズ、レタス、トマトなどをトッピングしたものが一般的です。基本的にトマトベースのソースをかけます。念のため加えておくとタコライスの「タコ」は「蛸」ではなく「タコス」から来ているわけです。
島根県のうずめめし
椎茸、ニンジン、かまぼこ、高野豆腐等を賽の目に切り、塩と薄口醤油で煮て器に盛り、その上にご飯をのせ、刻み海苔、わさび、三つ葉を薬味として加え、熱いだし汁をかけて食べます。 具材は地域によって様々あるそうです。
東京の深川めし
アサリ、ハマグリ、アオヤギなどの貝類とネギなどの野菜を使い、炊き込むものと、煮込んだ汁物を米飯に掛けたもの、どちらも「深川めし」というそうですが2000年前後から増え始めた深川めし屋の多くは炊き込みのスタイルです。
東京の品川めし
深川めしはハマグリなどの貝類をメインとしますが、こちら「品川めし」は代わりにシャコを使うそうです。こちらも炊き込みが主流で、シャコが取れなくなると穴子を代用したものも「品川めし」と呼ばれていたそうで、かなり定義づけが曖昧です。
北海道の烏賊(いかめし)
腹ワタを取り除いたイカの胴身に、米を詰め込み醤油ベースのだし汁で炊いて作ります。米はもち米とうるち米を混ぜるのが本流で一緒にタケノコ、にんじん、油揚げなどが入ることもあります。
静岡の麦とろご飯
静岡市の丸子には「とろろ汁」の看板をだすお店が集まっています。その名のとおり麦飯の上に自然薯をすり下ろした汁をかけて食べます。米飯にかけるものは「とろろかけご飯」と呼びますね。質素ながら麦にも山芋にも食物繊維が豊富なため、整腸作用が期待できる食べ方です。
熊本の高菜めし
塩漬けで乳酸発酵させた高菜漬けをしっかり炒めて、炒り卵とご飯を混ぜ、さらに炒めた後、ゴマ、塩、醤油等の調味料で味付けをした炒飯ににているが本場ではいわゆる高菜炒飯とは違う位置付けのようです。熊本県の他筑後地方によく見られる郷土料理です。
鹿児島奄美の鶏飯(けいはん)
鹿児島県奄美群島に伝わる郷土料理です。本場ではまず丸鶏を煮て取ったスープをつくり、茶碗に盛った米飯に、ほぐした鶏肉、錦糸卵、椎茸、パパイヤ漬けなどと葱、きざみ海苔を散らし、最後に刻んだタンカンの皮をのせて食べます。お店ではご飯、具材、薬味、スープは別々の器で出され、それぞれの好みで盛り付けるスタイルが通常です。
実は日本発祥の天津飯

銀座の例(wikipedia掲載画像より)
中国料理のようですが実は中国大陸にはこの料理に相当するものがなく、日本独自に発祥したらしいです。
説のひとつに、昭和の物資不足の時代に、中国天津産の良質米をつかい「天津芙蓉蟹肉飯」という名で、中国風オムレツである「芙蓉蛋(ふようたん)」と蟹肉を乗せて出す店ができて、その後呼び名を短縮し「天津飯」となった、というものがあります。
一般に静岡県辺りを境に、あんの味付けが西日本では醤油と塩ベース、東日本ではトマトケチャップを使う場合が多いようで、色も赤みがかっています。

大阪の例(wikipedia掲載画像より)
店舗により、具材にエビや豚肉、キクラゲや野菜類などを使いそれぞれに違いが見られます。この辺は天津飯好きにとっては中華屋さんを食べ歩く楽しみとなるところではないでしょうか。
というわけでお米の食べ方にはシンプルに炊いて副菜と一緒に食べる以外にもバリエーションは無数にあるものです。
今回はお寿司系は相当な数があるのであえていれず、地方の郷土料理中心に挙げてみましたがまだまだ数あるご飯料理のうちのごく一部だと思います。
私自身まだ食べたことがないものばかりなので、今後、できれば本場へ出向いて食べたいと思いました。その際にはもっと細かく追記できたらと思います。
では今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。