ホンダは平成30年3月期の連結業績予想が国内ではトヨタ自動車、ソフトバンクグループに続き、1兆円を突破したようです。
そんなホンダのバイクを代表するものの一つにご存じ、スーパーカブがあります。
このスーパーカブの世界生産累計台数、2017年にはなんと1億台を突破したそうです。
さらには生産拠点を日本の熊本工場に移しフルモデルチェンジしました。
1958年に発売してから数々の伝説を作り続けるスーパーカブですが、2018年でとうとう60周年を迎えます。
今回は私も愛用しているスーパーカブについて、独自目線でまとめてみようと思います。
目次
丈夫さとレトロなデザイン
『エンジンオイルの代わりに、天ぷら油や灯油を使っても走る』だとか
『調子が悪いと感じつつ100キロくらい走って、調べてみたらエンジンオイルが空だった。おそらく空のまま走っていたと整備士も驚いた』や、
『日本のテレビ番組で、東京からモスクワまでカブで行く企画があり、約7,500キロを給油3回で補った』
などなど、数々の伝説がありますが、基本的にとにかく丈夫なのです。
私は車でもバイクでも、昔のデザインにには皆、愛嬌があり、素材感も愛着の持てるものが多いと思いますが、現代では機能性だけの面白みの無いデザインばかりに感じています。
そんな中、このスーパーカブだけは、多少発売当時にくらべると変化はあるものの、レトロなデザインで未だ愛嬌を残したフォルムを維持しています。
これは本当に凄く希なケースだと思います。 今現在道路を走っている現行モデルの車やバイクで、これほどレトロなデザインがあるでしょうか? もちろん時々旧車愛好家が乗っている実際に古い車やバイクを見かけることはありますが、現行モデルでこのようなレトロなデザインを維持してるってなかなかないですよね。時代が変わっても未だレトロな雰囲気を残したデザインのバイクなのです。
○ホンダ スーパーカブ オフィシャルサイトはこちら
http://www.honda.co.jp/SUPERCUB/
しかしそんなスーパーカブにも暗黒の時代(あくまでも主観ですが)がありました。
昨年暮れのフルモデルチェンジするまでのデザインはその前回のフルモデルチェンジ時、2012年から続いていたわけですが、その時期からのスーパーカブは全生産を中国に移し、値下げもされました。
2012年の3月、5月と続けてカブ110、50のデザインは一新されたわけですが、それは逆に多くのカブファンをがっかりさせた無様なものでした。(少なくとも私はそう思っています。)
○2012年フルモデルチェンジした際のスーパーカブ110はこちらで確認できます。http://www.honda.co.jp/news/2012/2120220-cub110.html
「・・・」
何はともあれこの5,6年間、ホンダはユーザーの気持ちを知ってか知らずか、考え直してくれたのか分かりませんが、結局2017年11月より再びデザインを大幅に変えて(元にもどった?)、熊本工場での生産を再開してくれました。
そして2018年は生誕80年を向かえるそうで、なんだかオフィシャルサイトも盛り上がっているようです。
http://www.honda.co.jp/supercub-anniv/
飽きのこない乗り物
元はそば屋さんが片手で岡持をもって運転できるよう考えられたとも言われる設計で、運転時、実際に左手は使わなくても乗れるよう、ウィンカーは右手側についていて、通常ミッション車ならあるはずのクラッチレバーもありません。
こういった、全く他に類を見ない独特な設計もロングセラーに繋がってきた要因でしょうか。
私は今まで何台かの50ccのスクーターに乗っていた事がありますが、カブと他の国産スクーターの最大の違い。
それは紛れもなく飽きないところにあると思います。
スクーターはとにかく移動するための足。それ以外何の面白みも感じられませんが、カブは違います。
4ストロークの落ち着いたエンジン音でゆっくり、踏みごたえのあるギアペダルを「ガチャン、ガチャン」と上げながら加速していく感じは本当に乗ったことのある人しか分からない感覚だと思います。
ただし回転数は上げ過ぎてはいけません。振動が凄いですから。。
ほどほどのスピードで走っている感覚がなんとも気持ちが良いものです。
省エネが半端じゃない
スーパーカブのレビューではありきたりな話になってしまいますが、とにかく燃費が良いです。
ただこれは乗り方次第ですごく差があります。当たり前ですが、ミッション車ですのでとくに燃費に与える影響はその乗り方や乗る人と積む荷物の重さ、走る道路環境で相当な違いがでるはずです。
この辺も運転していて飽きない要素だと思うのですが、いかに上手に乗れるかにかかっているのです。もっとも雑に走ったとしても他のバイクに比べれば圧倒的に燃費が良い事には変わりませんが。
カタログ表示になりますが同じホンダの定番スクーター ディオと比較してましょう。
スーパーカブ50 105.0km/L 定地燃費値(30km/h)
ホンダ ディオ50 73.0km/L 定地燃費値(30km/h)
スーパーカブ110 62.0km/L 定地燃費値(60km/h)
ホンダ ディオ110 57.9km/L 定地燃費値(60km/h)
ではライバルのヤマハの製品と比較してみると
スーパーカブ50 105.0km/L 定地燃費値(30km/h)
ヤマハ ジョグCE50D 69.7km/L 定地燃費値(30km/h)
近頃ヤマハが力を入れて販売している自慢の製品では?
スーパーカブ110 62.0km/L 定地燃費値(60km/h)
ヤマハ トリシティ125 43.6km/L ※(WMTCモード値)
ヤマハ アクシスZ125 54.6km/L ※(WMTCモード値)
※WMTCモード値とは、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値。
いかがでしょうか、もちろん言うまでも無くカタログに載っている燃費消費率とは、その製品にとっての最高の条件が整った状態での計測値ですから、実際にはかなりその数値は落ちることになりますよね。
それでも、私の実感としてはスーパーカブの燃費は他の車種に比べ、その落差は少ない様に思います。本当に無理なく上手に乗っていれば省エネできるバイクだと思います。
スーパーカブ90の燃費 (実測)
因みに私が乗っている95年製スーパーカブ90デラックスは(現行モデルで90はありません)カタログ表記では
60.0km/L 定地燃費値(60km/h)
ですが、すでに22年以上の型落ちでも、実際に計算してみたところ、50.0km/Lは走っている計算でした。
他のスクータータイプのバイクだと、もっとカタログ表記との落差は大きいはずです。
豊富なパーツ類で楽しめるカスタム
カブシリーズは世界一売れているだけありパーツも豊富で手軽に入手できます。その上整備や取り付けも比較的素人でできることが多いのが魅力。
私は主に通勤で使用しているのでキャリアにボックスを着けています。ノーマル状態では荷物の収納が無いのがカブの特徴でもありますが、ひとたび専用のボックスを着けることで、かなりの荷物量が入るようになります。
まあ見た目はちょっとオジサン的に見られるかも知れませんが(おしゃれな若者はリュックを背負って乗ってる方が多いかも。。ですが)個人的にはカブは荷台に箱状のものが着いているのが似合うと思っています。
私の場合、カスタムと言うほどの事はしていませんがリアサスペンションが柔らかいのが嫌だったので固めのものと取り替えています。これも素人の自分でも簡単にできる作業です。
仕入れはこちらのサイト「ナナカンパニー」で購入。
このSP武川の「 リヤショックアブソーバー 」 はかなり固いですが、私は気に入っています。
固すぎるのが嫌な方はレビューなどで見る限りこれより若干ソフトなもので「東京堂」オリジナルサスペンションの方が良い様です。
こちらは「アウトスタンディング」で購入できます。
とにかくパーツが豊富なのでいろいろと自分流にアレンジしやすいのもカブシリーズの特徴ですね。
もはや言うまでも無い実用性の高さ
古くから警察、郵便局など多くの公共機関でも使われているカブですから、実用性に関しては言うまでもありません。ただ、今から初めてカブシリーズに乗ろうと検討している方(もしこの弱小ブログを目にして頂けているなら)に対して、強いてひとつだけ着け加えておきたいのが、「最初の最初だけ、癖が強い」と感じることでしょうか。
ギアチェンジを行う際、「シーソーペダル」と呼ばれる前後に分かれたペダルを踏み込む事により変速させるのですが、その時に慣れないうちは多少、うまく表現できませんが、「ガクン、ガクン」します。
しかし、心配することはありません。だれでもすぐに慣れるはずです。慣れてくれば止まる時にも、シフトダウンしながら止まれるようになるでしょう。(ダウンペダルを踏みこんだらその瞬間アクセルをふかし回転を合わせてからペダルを離すとスムーズに減速できる。)
スクーターだってホントに初心者だと勢いよく走りだしちゃって危ない事もありますから、そもそもバイクに乗りたいと思っている人なら問題なくカブにも慣れるでしょう。(私の妻は乗れませんでしたが。。)
カブを中古で購入する場合
カブシリーズは中古でも状態の良い車体がたくさん流通していますから、比較的容易に中古が手に入るでしょう。
現行モデルは50と110しかありませんから、「70や90が欲しい」という方は中古を狙うしかないのです。(価格の相場はいずれも10万~15万位でしょうか)
何を隠そう私も過去にリトルカブ、現在はスーパーカブ90に乗っていますが、両方とも中古で購入しました。
そんな時、言うまでもないですが便利なのはインターネット検索ですよね。各地のバイクショップにある自分の欲しい年式や車種が決まっていればそのワードで探して、後は直接実際のショップへ見に行くって流れが主流かと思います。
一方で、写真を見て外観に惚れ、見た目重視で購入する方も多いかも知れません。
そこで知っておくと便利なのは、シート下に貼ってあるシール表記から、そのバイクの年式を知る方法です。
車検のない原付バイクの登録書などには車体番号の表記はありますが、年式までは記載されていませんのでわかりませんが、後からパーツをネットで購入したりする際、自分のバイクの年式が分からないと困ります。
実は車体に刻印させれている車体番号からでも、ホンダのカスタマーセンターで問い合わせすれば教えてもらえますが、わざわざ電話しなくても次項の表を見ればすぐに分かります。
スーパーカブの仕様と年式の読み方
シートを上げると燃料タンクがあるわけですがその入れ口付近にラベルが貼ってあります。
私の例を挙げると
これです。
まず「C90DS」とありますが、
最初の「C」はcub(カブ)の頭文字。
次の「90」は排気量。
その次のイニシャルはグレードです。要するにカブシリーズの中のどの仕様か。「D」はdeluxe(デラックス)の頭文字。
最後の「S」は年式で【95年】を意味します。
ホンダのバイクは皆、このような形式で表しているようです。
そして「color B-116M」というのはそのまま「色」の種類を記号化して表しています。
その記号化したものが「code」なわけですね。
「B116M」は「アドベンチャーブルーメタリック」という色らしいです。
最後に
1958年にC100にはじまり、60年。本当に様々な時代にずっと製造、販売されている。もはやそれだけで説明は不要なほど、魅力が詰まった乗り物ですね。
ホンダにはもう一つ、絶大の人気を誇った「モンキー」があります。
しかし残念ながらこちらは2017年に50周年を迎えましたと同時に長い歴史に終止符を打ちました。
理由は、排ガス規制強化の影響だそうです。 なんでも今後(2021年から)はさらに規制が厳しくなり技術的に50CCのバイクには特に厳しいダメージとなるようなのです。
と言うことはカブにも影響があると言うことでしょうか?
2021年。なにか動きがありそうですね。
今後もますます目が離せない「カブシリーズ」です。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。
ホンダ スーパーカブの漫画をご存じですか? 結構はまります!!
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